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拡大するEC市場と食品ECの課題

2021.06.04 11:51

冷凍・冷蔵に対応した食品関係の低温物流へのニーズは、生活様式の変化や新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要の増加等で堅調な伸びを示しており、BtoB、BtoC全体を含む市場規模は2021年度に4兆円超まで拡大が見込まれている。

BtoCにおける食品EC市場規模は1兆8233億円で、EC化率は2.89%と全産業のEC化率6.76%と比べると食品ECはEC化が進んでいないと言える。

【目次】

1・EC化率とは

2・拡大する食品EC市場

3・伸び悩む食品EC化 

4・コールドチェーンの課題

5・まとめ

 

     

1・EC化率とは

 EC化率とは、すべての商取引の内、電子商取引が占める割合のことを指します。ここの数字が高いと市場におけるECの進み具合が解ります。

 消費者向けの電子商取引 (BtoC EC)の市場規模は19.4兆円(前年18.0兆円、前年比7.65%増) BtoC ECは全体の6.76% 

・EC化率の対象市場  EC化率の調査結果は、経済産業省から毎年発表されています。その中で、EC化率を算出する対象市場は以下のように定義されいます

◆ BtoB EC市場 

企業間または企業(個人事業者を含む)と政府間でECを利用して受発注を行った財・サービスの取引金額とされています。

国内から海外への販売(輸出)は含まれていますが、海外から国内への販売(輸入)、国内事業者による海外生産の販売、製品が国内を経由しない取引の金額は含まれていません。

◆ BtoC EC市場

企業と消費者間でのECによる取引金額であり、消費者への販売は家計が費用を負担するものを指しています。

インターネットオークションやフリマサービスなど、個人間で取引を行うCtoCや、税金などの電子申告等政府がサービスを提供し、個人が対価を支払うGtoCは対象外です。こちらも、国内から海外への販売(輸出)、は含まれますが、海外から国内への販売(輸入)、国内事業者による海外生産の販売、製品が国内を経由しない取引の金額は含まれていません。

 

現在、EC化率は年々伸びています。具体的にはどのような分野が伸びているのかを、平成27年度に経済産業省が発表した2015年の結果を見てみましょう。

・物販系 

  もっとも販売者が多く、市場規模は6兆8,043億円。EC化の伸び率は13.5%です。
  生活家電・AV機器・PCおよび周辺機器等 EC化率 28.34%    事務用品・文房具 28.19%

・サービス系

  旅行や飲食、チケット販売がこれにあたり、市場規模は4兆9,014億円。EC化の伸び率は9.4%と高くなっています。
  飲食サービスのEC化の伸び率が34.9%と非常に高いのですが、金融サービスのみ-2%と減少しています。

・デジタル系

  電子出版や音楽配信、オンラインゲームなどがこの分野で、市場規模は1兆6,334億円。EC化の伸び率は8.1%です。
  オンラインゲームの市場規模が1兆2,045億円と非常に高く、今後もさらに伸びていくことが期待される分野です。

 

       

2・拡大する食品EC市場

食品業界の商取引市場規模は69兆円(2019年実績)と推定される巨大産業ですが

日本国内のEC化が進んでおらず、たった2.89%しかありません。

 

     

3・伸び悩む食品EC化

食品業界でEC化が進まない理由 

◆ 手に取って鮮度が良いものを選びたい需要があり、ECサイトと相性が悪い

  家電、衣料品のECに比べると、生鮮食品は、手に取って鮮度や産地を確かめる方が多く、ECサイトでは鮮度を確認しづらいため、ECサイトよりもスーパ ーなどのリアル店舗で買い物をするユーザーが多いの現状です。

 

約3割の方が「生産者や商品の情報をもっと提供して欲しい」と答えており、消費者は食品に鮮度や産地の情報を強く求めていることがわかります。

また生鮮食品は、鮮度を保ち、早くユーザーのもとに配達する必要があります。鮮度の良い状態で、より大きなエリアにおいて配送を行うためには、食品に特化した独自の物流拠点を持つことが必要です。こういった物流拠点構築は大手企業しか着手することができないのも、EC化を妨げる大きな原因の一つです。

    
◆スーパーやコンビニの利便性

ECサイトは利便性が高いから活用するものです。ECサイトに登録しておけば、過去の購入履歴から簡単にワンクリックで購入できることが利点です。

しかし、食品に関してはいうと、日本では自宅から歩いて数分の場所や通勤途中にスーパーやコンビニがあるため、リアル店舗の利便性が高く、すぐに生鮮食品を手に入れることができます。もちろんECサイトでもカンタンに食品を買うことはできますが、配送に時間がかかることや、鮮度を確かめられない点を考えると、すぐ購入することのできるリアル店舗の利便性にはかないません。

 

◆ネット事業者の配送料負担 リアル店との差

Amazon Primeや楽天市場の「あす楽」などは、条件を満たせば配送料が無料になりますが、実際にはコストをネット事業者が配送料を負担しており、無料ではありません。しかも、佐川、ヤマト、日本郵便各社が値上げに踏み切ったことから、EC事業者への影響は大きく、今まで配送料無料としていたサービスも、次々に廃止になっております。

こういった背景からも、ユーザーはまとまった量の食材を買わないかぎりは、スーパーやコンビニなどで買った方が、配送料がかからないため、リアル店舗に価格競争力でも劣ってしまい、食品ECを使うユーザーが増えづらい状況なのです。

 

 

      

4・コールドチェーンの課題

食品ECが伸び悩む理由を解決する為にも、鮮度を維持した物流網コールドチェーンの構築が不可欠になります。しかし、需要の高まる中、幾つかの課題が見えてきています。

コールドチェーンの課題

・食品を安全に保管する冷凍冷蔵(温度管理)倉庫が不足している。

・冷凍冷蔵の設備は有っても、EC(BtoC)の在庫管理、出荷業務が出来ない。

・冷凍冷蔵設備に多額のお金が掛かる。

などの、課題が挙げられます。更には、首都圏で起きている設備の老朽化問題により、設備の建て替えが迫られる中、関東の慢性的な土地不足によって進まない現状がある。現状でも、需要に対する供給が足りていない。

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5・まとめ

コロナ禍において食品EC化率は伸びていくと考える、実際にフードデリバリーサービスがCMを行うなどで明らかだ。この動きは、ニューノーマルと言われるアフターコロナになっても継続、もしくは増加していく傾向にある。ECとリアルの共存にはなるだろうが、食品ECの期待と同時にコールドチェーンへの期待も更に高まっていくと予測する。

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