物価高の原因は本当に物流費高騰なのか?物流の現場から見る「真実」とは
物価高の原因は本当に物流費高騰なのか?物流の現場から見る「真実」|株式会社物研

物価高/物流費高騰/インフレーション/運賃値上げ/2024年問題/サプライチェーン/物流コスト構造
1. はじめに:なぜ「物価高の原因=物流費」と言われるのか?
ニュースやSNSでは、「物流費が上がったから物価が上がった」という意見をよく見かけます。
物流業界は燃料費高騰・労務費増・2024年問題など、確かに多くの要因でコストが上昇しています。
しかし、本当に物価高の主因は物流費なのか?
実はこれは“誤解されやすいテーマ”です。
本記事では、物流の現場にいる株式会社物研の視点から、
「何が本当の原因なのか?」を丁寧に解説します。
2. 結論:物流費は「主要因のひとつ」だが、物価高の“本丸”ではない
結論から言うと、
❌ 物価高の“直接的な主因”は物流費ではない
⭕ ただし、物流費は確かに物価を押し上げる“補助要因”ではある
物価高の背景には、もっと大きな構造変化があります。
3. では、物価高の本当の要因は何なのか?
物研としての立場から、影響度が大きい順に整理すると以下の通りです。
■ 要因①:エネルギー価格の上昇(最も大きい)
燃料(ガソリン・軽油)・電気代の値上がりは、
企業の製造・運送・保管のすべてに影響します。
物流業界でも燃料高騰は大きな負担ですが、
製造業・食品加工業のほうがさらに大きい影響を受けています。
※燃料価格が上がると、工場の光熱費・原材料輸送費・保管費が連動して上昇するため。
■ 要因②:原材料価格の高騰(世界的なサプライチェーンの変動)
食品原材料(小麦・油・砂糖)
包装資材(段ボール・樹脂)
建材・金属・資材
これらの国際価格がコロナ後に急上昇し、製品価格を直接押し上げています。
物流費の比率よりも、原価そのものへのインパクトが大きいのが実情です。
■ 要因③:人件費上昇(日本全体の構造的問題)
物流だけでなく、
サービス業、製造業、飲食、ITなど
あらゆる業界で人件費が上昇しています。
企業が賃上げに踏み切らざるを得ない社会状況が続き、
これが価格転嫁の大きな要因になっています。
物流業界の場合は、「2024年問題」による労働時間規制も影響。
■ 要因④:物流費の上昇(物価高の“後押し”要因)
最後に物流費です。
物流費が上がると、確かに商品価格に影響しますが、
一般的に製品価格に占める物流費の割合は5〜10%前後。
食品ECや冷凍食品などは割合が高いですが、
全体としては“値上げの一因”に留まります。
つまり、
物流費は「物価を押し上げる力はあるが、主犯ではない」
というのが正しい理解です。
4. それでも物流費が注目される理由
● 「運賃が上がった=価格が上がった」と見えやすい
→ 消費者に最も伝わりやすい「目に見えるコスト」だから
● ネット通販拡大で物流コストが可視化された
→ EC配送が生活に密着し、配送料が話題になりやすい
● ドライバー不足がついに社会問題化
→ 2024年問題で「物流の未来」が注目される状況に
5. 物研の視点:物流の価値は「価格」ではなく「安定供給力」
物価高の議論では物流費ばかりが目立ちがちですが、
本来物流とは、
「商品を安定して届けるための社会インフラ」です。
物研では、
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南大阪6拠点のドミナント戦略
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365日発送体制
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冷凍・冷蔵・定温の三温度帯対応
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WMSによる作業効率化
を通じて、企業の物流負担を最小化し、
「止まらない供給」を支える仕組みを追求しています。
6. まとめ:物価高の原因は一つではない。だからこそ物流の最適化が重要。
物価高の原因を「物流費だけ」にしてしまうのは間違いです。
しかし、
上昇が止まらないコストを最小限に抑えるために、物流改善は避けて通れません。
物研では、
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在庫分散
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配送効率化
-
多温度帯一括管理
などの施策で、企業の物流を“コストから価値へ”変えていきます。
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